『赤目四十八瀧心中未遂』

赤目四十八瀧心中未遂

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赤目四十八瀧心中未遂 [DVD]

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原作は直木賞受賞の年に読んだ。”アマ”のアパートで次々と臓物づくりをしている主人公の生島は、どうも著者車谷長吉本人のイメージとかぶってしまう。以前、雑誌でご本人の写真を見たことがある。丸い眼鏡をかけ、細い身体つきだった。映画の主人公はどうも私のイメージに合わなかったなあ。顔も彫が深すぎる。私のイメージだと、”ふたりっ子”の”お父ちゃん”段田安則をうらぶれさせたら近い感じかなあ。というか、登場人物、ロケの場所、ことごとく私が原作で読んだイメージとはかなりかけ離れていた。

原作の”綾”からは寺島しのぶのような逞しさは感じられなかった(もっと細くて折れそうな女性が私のイメージ。ちょっと若すぎるかもしれないが、仲間由紀恵なんてどうよ?)し、彫師は金髪じゃなくて短髪のもっと渋い職人肌の枯れかけた初老男のイメージ。
主人公が臓物づくりをしている部屋は窓も押入れもないイメージ。焼鳥屋のばあさんも大楠道代よりもっと太ってて小柄な、歩くより転がる方が速そうなばあさんのイメージだった。大楠道代のスレようも面白かったけれども、強欲で、その欲が全部贅肉として身体にくっついているような、意地汚く食べ、贅肉が腹に尻に太ももに二の腕に胸にタプタプしていて本人ももてあましているけれでも、それでもさらに物を欲しがるような物欲の塊のような脂で醜く太った老婆、というのが私のイメージ。もっとも、もしそんな風だったら、それを演じたいという女優さんがいるのかどうか、かなり怪しいと思うが。

今日の花
自宅:昨日と同じ