『金融腐食列島呪縛』

金融腐食列島呪縛』これも数年前の映画だが、これは単に観た映画ではない。
エキストラとして参加した。某メルマガのアンケートに答えたことが縁で、面白そうだったから参加してみた。

そのアンケートというのは、映画でのリアリティを出すため、銀行の内部の様子を聞いたものだった。ファイルの背表紙の文言等々…。私はそういったものはほとんどわからなかったが、派遣社員として某銀行で働いていたことがあり、「『業務に関係ない』との理由で、イヤリング、指輪、マニキュアは禁止。香水も禁止」ということをアンケートの自由記述欄に書き、それが非常に役立った、と後にアスミックの方に喜ばれた。

撮影に参加したのは最後の方の、株主総会のシーンの、後ろの方の席にいる大勢の株主の一人として。原作が日経に連載されていたことで、エキストラには日経の読者も大勢いたようだ。前の方に陣取って、野次ったりしていたのは、どこかの劇団の人たちだった。撮影の時にはすごい迫力で恐い人たちだったが、撮影の合間にはニコニコと談笑していたり、カットとカットの合間の監督からの注文にも「はい、わかりました!」と非常に礼儀正しく答えていて、「いい人たちなんだあ」と思ったものだ。

その撮影で実際に見た役者さんは、根津甚八役所広司椎名桔平もたいまさこ筧利夫、本宮泰風…。根津さんは、撮影の合間に「あぶ刑事」の物マネをしてくれたりして、サービス精神旺盛だった。役所さんは背も高く、颯爽としていた。椎名さんは身のこなしが非常に身軽だった。そして、もたいさんが現れたとき、それまで和やかだった他の役者さん達(根津さん、役所さん、椎名さん、筧さん、たちだったと思う)の雰囲気が一変、シーンとして、「先輩の風格」というか、「芸能界の序列」を感じた。

それから数年経って、改めて映画を観て、「俺達ミドルが…」というセリフに時の流れを感じた。今どき、会社の為に捨て石になろう、なんてサラリーマンなんか、いないだろうなあ。忠誠を尽くしたっていつリストラされるかわからないし、会社が危ないとわかれば危ない会社にいつまでもしがみついてるよりも、さっさと次の行き先を探すんだろうなあ。

今日の花
職場:アリウム(ギガンディウム)、ルリタマアザミ、リシアンサス(ロジーナブルー)、ヒマワリ(サンリッチパイン)、グラジオラス(グリーンアイル)

自宅:ヒマワリ(サンリッチパイン、レモンエクレア)/ルリタマアザミ/スプレーバラ(フェアリーウィンク)、バラ(アジアンローゼス、ロゼヴィアン)