『女が殺意を抱くとき』

女が殺意を抱くとき (徳間文庫)

女が殺意を抱くとき (徳間文庫)


とにかく題名が気に入りましたね。『女が殺意を抱くとき』。実際は”殺意”って、そんな単純な一言では済まされない、憎悪・嫌悪・恨み・つらみ・悲しみ・怒り・やるせなさ・後悔・「私の○年間を返して!」…そういうものが絡まりあって幾重にも積もり積もってぐちゃぐちゃな大きな塊になった、その結果、だとは思うんですけどね…。


とはいえ、この本におさめられているのは400字詰め原稿用紙9枚の長さのものなので、どうしてもそういう、濃い情念の塊、みたいなのはあまり感じられない、あっさりしたものが多い気がした。それでもお話として成り立っているのは凄いなあ、と思ったりもした。


それと、どうも”絞殺””刺殺”や、”撲殺”のたぐいが多くて、私としては、もっと凝ったテクニックで殺してくれた方が読みがいがあったりして…と思ってしまったりもした。
”2ドラ”の見すぎかなあ。