『空中庭園』 / 番外
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: 文庫
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以前読んだ、『対岸の彼女』がとても気に入ったので、同じ筆者、角野光代さんのこの『空中庭園』も読んでみた。これを選んだ理由の一つは、『空中庭園』という題名が何だかとても面白い感じがしたからだ、遊園地のように。
が、そういう私のファンタジックな空想はものの見事に外れていて、しかし、この『空中庭園』の本当の意味がわかったとき、「なるほど」とうなってしまった。
それにしても、筆者、角野光代さんの、様々な年代・境遇の男女のキャラクター・心情を書き分ける才能はすごいなあ、と『対岸の彼女』の時以上に感心した。ラブホテルが随所に出てくるが、それも淡々と扱われている。
ちなみにこの作品は映画化され、今秋劇場公開される(主演:小泉今日子)予定が、監督の逮捕(覚醒剤だったか?)で一時期危ぶまれていたが、結局公開されるらしい、とのこと。原作を先に読んでしまっていると、だいたいががっかりすることが多いのであるが、一応、頭に入れておこうと思う。
番外
今日、日帰りで姫路城&飾磨に行ってきた。姫路城は幼稚園か小学校低学年くらいの頃に母方の祖母や母と行った記憶がかすかにあるが、大人になってから一度もない。帰省の行き帰りでいつも眺めているが、そのうち一度行きたいと思っていた。私の記憶では、JR姫路駅を降りて、目の前の大通りのまん前に姫路城がドーン!と建ってるイメージだったが、今回は意外とそうは感じなかった。場内の庭では妙な既視感を覚えた。これは昨年、松本城に行ったせいか?
が、そのどこまでも白い壁はまさに「白鷺castle、フォー!」(レイザーラモンHG流)なのであった。もちろん私はポーズをとったり腰を振ったりはしないが。その白さには以前訪れたドイツのノイシュバンシュタイン城を思い出した。姫路城が”日本のノイシュバンシュタイン城”なのか、ノイシュバン〜が”西洋の白鷺城”か…。比べてしまうこと自体滑稽であるが、とにかくそう思った。
以前行ったときは何だか迷路のように感じた西の丸の廊下、今回は全くそうは思わなかった。長い廊下を歩いていて、何だか懐かしいような匂いと感じていたが、途中、それが父方の祖母の家だということに気づいた。木でできた古い家の匂い。
西の丸から天守閣に続く順路も楽しめた。こちらの方こそ迷路めいていて、しかし壁と木と空間が自在に広がっていて、あちこち絵になる風景がいっぱい。デジカメを買っておけば良かった。
天守閣の資料は時間切れになりそうで、サーッと眺める程度になってしまった。天守閣の中は意外とこじんまり、してた気がした。上記昨年の松本城がだだっ広かったのか?
最上階からの眺めでも、上記昨年の松本城からのそれを思い出した。眼下に見える、城周りの緑、城下町、広がる空間、遠くに見える山々。窓から吹く強い風。冷房なんかいらない。
標準所要時間は90分だったが、じっくり見るスタイルの私の場合、約2倍の2時間半(14時半〜17時)かかってしまった。