『対岸の彼女』

対岸の彼女

対岸の彼女

友人のオススメで、2月だか3月だかに一度読み、昨日今日でまた読み返してみた。私は日常生活で同世代の子持ち専業主婦との接点は全くないので、冒頭の小夜子の”公園ジプシー”のような話はとても物珍しく思えた。けれども同時に「主婦ってつまんないことで悩んでんのね」とも思った。あまりのくだらなさに、その友人のオススメでなければ読むのを辞めてしまうところだった。

小夜子の描写には子持ち専業主婦の生活のつまらなさがクローズアップされているように感じた。子持ち専業主婦ってみんなこんなものなのか?それとも大げさに書いているのか?まとわりつく子供、家事を手伝わない自分勝手な夫(自分の母親の誕生日に妻にプレゼントを用意させ、妻も同伴させて祝うを当たり前と思っているくせに、妻の親にはプレゼントも用意しないしお祝いにもかけつけない無神経さにも私ならとっくに激怒/「働くのはいいけど、家の中をちゃんとやった上で」というスタンスには男の身勝手を感じる。男女平等なんだから、家事もフィフティフィフティの分担をするのが当たり前でしょう。もちろん経済面もフィフティフィフティの分担が当たり前だけど/自分の母親の誕生日に妻を家政婦代わりに連れて行って自分はテレビを見てるなんて言語道断。おまえの親なんだからおまえがメシ作れ!/こういう男性を夫に選ばないように気をつけないと)、夫妻の問題(二人目作ろうがどうしようが、アンタに関係ないでしょ)にクビをつっこんでくる義母。鬱陶しいことだらけだ。葵のセリフじゃないけど、「結婚願望確実に70%減」った(元々低いが)。

最後の結末は爽やかさが感じられたが、今後の可能性を示唆するが、私としては葵にはその後、大活躍して欲しいものだ、と、経済的に自立した(パラサイトでもなく夫に寄りかかってもいない)仕事をする女性としてはエールを送りたい気分だった。