『ファースト・プライオリティー』 /番外

ファースト・プライオリティー (角川文庫)

ファースト・プライオリティー (角川文庫)


数日前、同著者の『恋愛中毒』を読んで面白かったので、その横に置いてあって気になっていた『ファースト・プライオリティー』を買って読んだ。


短編を読むのはここしばらくの間で久しぶりだったので、一つ一つの話があっさり終わっていて、「あれっ、もう終わりかい?」とつっこみを入れたくなるような感じ。起承転結の転結が非常に短く、オチで急カーブを回って終わり、といった感じ。それが小気味良く感じられるものと、物足りなさ・拍子抜けを感じるものがあった。


おさめられている短編の一つ、『ゲーム』の中で、それまで散々恋愛ゲームをしてきた女性が結婚しようと思っているところの描写には笑ってしまった。
「鏡の中の彼女の目が貪欲に光ったが、それは狩った獲物のおいしいところだけを齧って捨てようと企むものではなく、小判鮫のように相手に寄生してやろうと目論む目だった」


まさしく言いえて妙。結婚して小判鮫のように相手(=他人)に寄生して生きるのに何の疑問も持ってない女性って正直、結構いると思うんですよねえ。私はそんなつもりはないけど。そう考えると、専業主婦になるべく結婚相手を探している女性って、表面上はいくら”か弱そう”に装っていても、実は結構ずうずうしいわよねぇ。何しろ、要は他人に寄生するのが目的なんだもの。


番外
世陸のオープニングBGMにツェペリンがかかっていて驚きました。でも妙にマッチしていた。


今日の花
自宅:バラ(ナランガ、ローテローゼ)/バラ(デュカット、ローズユミ)